イチロヲ

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣のイチロヲのレビュー・感想・評価

3.5
レジャー施設の建設計画を推進するべく、南海の孤島へと赴いた一行が、巨大怪獣の襲撃に遭遇してしまう。クランクイン直後に円谷英二が死去したため、直弟子の有川貞昌が特技を担当している、東宝特撮映画。

本作に登場する怪獣は、アメーバ状の宇宙生物が「カミナリイカ、カルイシガニ、マタマタガメ」に憑依してから、巨大化したものという設定。残念ながら三つ巴の闘いは描かれないが、スーツアクター・中島春雄の仕事ぶりに溜飲を下げることができる。

未開人の少女役を演じている小林夕岐子が、まるでスレンダー体格になったメ・メ・レイ(食人映画に出演しているグラマー女優)のような存在感を放っている。見目麗しい彼女を目で追っているだけで、作品評価を底上げしてしまう自分がいる。

伊福部昭によるトライバル音楽は、基本的に「キングコング対ゴジラ」からの流用だが、別バージョンとして楽しむことができる。ドラマ部分に関しても、憑依された産業スパイの人間心理が、初代「ゴジラ」の芹沢博士と相通じるものがある。
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