うにたべたい

ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣のうにたべたいのレビュー・感想・評価

2.8
1970年 東宝チャンピオンまつりで上映された、オリジナル怪獣映画。
監督・本多猪四朗、製作・田中友幸、音楽・伊福部昭という豪華キャストで作成されていて、ここに特監で円谷英二が入ればと思ったのですが、本作公開時には氏は死去しており、本作の特撮は円谷英二の愛弟子だった有川貞昌が担当しています。
ただ、南海の孤島を舞台に、三体もの巨大怪獣が暴れ回るような複雑な特撮にも関わらず迫力満点な映像に仕上がっていて、円谷英二氏に見劣りしないできになっていると思います。

カメラマンの工藤太郎は、木製探査に飛び立ち、消息不明になった無人探査ロケットが太平洋に落下するところを目撃する。
ロケットの落下地点にあるセルジオ島は、観光地として日本の会社が開拓する計画があり、工藤は、その会社の調査員として同行することとなる。
一方、その島には既に開拓会社の社員が現地入りしていたが、海で釣りをしている最中、巨大な怪獣に襲われ、1人は捕食されてしまう。
現地民はこの怪獣を"ゲゾラ"と呼び、ゲゾラを怒らせた日本人を迫害する。
墜落したロケットにはアメーバ上の宇宙生物が潜んでいて、地球上のイカ、カニ、カメを巨大化させて地球を乗っ取る作戦に出るという展開です。

怪獣が複数登場する割にはいまいちテンポは良くなく、2日に分けて視聴しました。
怪獣デザイン(個人的には特にゲゾラ)はなかなか良く、シナリオにも捻りがあって単調というわけではないのですが、なぜだろう。
宇宙人が襲来して、たくさん怪獣が襲いかかってくるというパシフィック・リムな展開だが、狙われているのが南海の一孤島のみで、軍用兵器などは出てこないで現地の人だけで対応してしまったのが一因なのかもしれないです。

怪獣はタイトルの通り3種類登場するのですが、カメーバについては2体出てきます。
地球上の生物が巨大化しただけ、にしては秀逸な怪獣デザインで、私的にはゲゾラがお気に入りです。
イカの怪獣なのですが、海から地上にあがり、直立して島を闊歩します。
巨大なイカだのタコだのといえば、海の中で船を襲うのが鉄板ですが、本作の巨大イカは地上に進撃します。
その姿はまさに"怪獣"と呼ぶにふさわしい出で立ちで、人を捕食するのに結構かわいらしいフォルムなのが魅力的です。
カメーバ、ガニメも怪獣らしくて素敵です。
ただ、スチル写真ではゲゾラがカメーバを持ち上げて戯れている微笑ましい写真が載っていますが、残念なことにゲゾラとカメーバは戦いません。
この三体が激突する姿は見たかったなあ。

良い時代の怪獣映画という感じも作品でした。
後はエビラさんも参戦したら良かったのになと思わないでもなかったです。