村社会のカーストに縛られた状況でおきるという点で密室ホラー(スリラー)の脱出劇だと思った。
正義なんてのは机上の論理なんだと脳みそかち割って殴り込んでくる。
本当に地獄をみた人間にしかこんな描き方できないんじゃないか。戦争や紛争やらを体験してきた世代が綺麗事なしでなぐりがいたようなストーリーと、ゴヤの絵のような鈍いグロテスクな画面。
「あなたってどこか変なところがあるのよ…」
すべてのどんでん返しはこれ。誰の心にも暴力は宿る。
そしてそれは「悪」なのだろうか？
暴力を受けても村側にまわる妻もやはり村社会の囚われ人で、そういった「話が通じない人たち」と、話し合って解決など本当にできると思ってるのか？
終始胸ぐら掴まれ問いただされるような映画だった。
