Ricola

大自然の凱歌のRicolaのレビュー・感想・評価

大自然の凱歌(1936年製作の映画)
3.7
プロデュースはサミュエル・ゴールドウィン、監督はなんとウィリアム・ワイラーとハワード・ホークスによる合同作というから期待を胸に膨らませて観た。

そして主役は『我が家の楽園』や『スミス都へ行く』などでの名脇役のエドワード・アーノルドというから驚いた。


さて肝心のストーリーは、カナダの製紙工場に婿養子に入った男が主人公。
ビジネスは成功をおさめるものの、かつての恋に浮かれてしまうおじさんが正直少し見苦しい笑

主人公の若い頃の美しい思い出が名曲「オーラリー」にのせて彩られる。
(オーラリーがエルビスのLove Me Tenderの原曲だったとは今回で初めて知った!)

友人と恋人と歌いながら過ごすゆったりとした時間はまさに彼にとって青春なのだろう。

それから主人公の元々の仕事である、森林伐採の過程は見ものである。
大自然の中での伐採の様子は、おそらく当時のやり方のものなのだろう。
それを丁寧に映すことで、伐採作業の豪快さを見せつけるだけでなく、後の時代への環境問題の示唆が実はなされているというのがさすがである。

夢はいつまでも見ていたいし、若い頃の幸せな思い出を疑似体験するような主人公も、だんだんと過去との向き合い方に気づくのである。

あの美しい思い出のオーラリーが哀愁を帯びてゆく。
それも素敵なことだと思う。

友情と恋愛、家族、仕事など…主人公の半生に沿いながら、彼の心の動きにちょっとツッコミたくなる。

Come and get it!
しかし現実がどうなろうとも、あの頃の思い出は決して消えないはず。
Ricola

Ricola