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ファム・ファタールのMyonのレビュー・感想・評価

ファム・ファタール(2002年製作の映画)
3.5
長回しが多いからか冒頭からすごく焦らされてる感が。そういう作風なんですね。やっと見られた主演のレベッカ・ローミンの美しさ。某ドラマではないけど、構造美がすぎると人間って中性的にすら見えます。

B級犯罪映画→美女たちの百面相を楽しむ映画→偶然やミスリードの重なりが物語を展開させていくサスペンス→そして…
目まぐるしく変わる作品の様相に紛れた、違和感と既視感を忘れないで欲しい。繰り返しのモチーフや何気ない台詞にこそ意味があるのです。銃、数字、水、光、コラージュ…目を皿にして感じる美しい暗示の数々。衣装も素敵、ルブタンの赤を見ると心が躍ります。

展開に落胆される気持ちもわかるし、坂本龍一氏の音楽は今作あまりピンとこなかったけど。ポスターの図案など、ディティールの凝りようを見るにつけこれは私のような深読みが趣味の人間にはうってつけの映画だと思うのです。
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