Shion

帰ってきたドラえもんのShionのネタバレレビュー・内容・結末

帰ってきたドラえもん(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

後のドラえもんを決定づけることになったエピソードとも言える、『さよなら、ドラえもん』と『帰ってきたドラえもん』を2本まとめて映画として描いた併映作品。

藤子先生はこのエピソードを描いたことで
「ドラえもんを描き切ってやろうと思った、ドラえもんの後にはペンペン草も生えないというとこまでやりきってやろうと思った」と仰っていた、実質上最後の最終回として描かれたエピソードなんですよね。
(実は連載誌に合わせて何本か最終回エピソードというのは描かれている)

のび太とジャイアンの夜中の決闘での雨や、冒頭の桜や、少しずつ散っていくのび太の部屋の花など、演出も非常に良い。
のび太とおばあちゃんのエピソード、『あの日あの時あのダルマ』が入ってきてるのも最高のアレンジだし、未来のドラえもんがドラミと話しているのも良い。

このあたりはドラえもんに長く関わり、それを愛してきたスタッフの手腕が光る。
今のドラえもんも好きではあるのだけど、初代キャストとスタッフだからこその空気感という重みがやはりある。
これを観るとやはり『STAND BY ME ドラえもん』はダイジェストだったのだなぁ、と思ってしまうなぁ……
(『ゴジラ-1.0』を大絶賛した身ではあるんですが笑)

ジャイアンとスネ夫に仕返しした後ののび太の「今のはぜーんぶほんと!」と言う前の表情も、「桜ももう終わりだね」という台詞も、家に帰ってきたのび太を見やるママとパパの表情も、全部が良いんだよね。

ジャイアンたちが謝りに来て、たっくさんのどら焼き持ってきてるのも良いよね。
レギュラーメンバーのフォローがちゃんと入ってる。
これで27分ですよ。濃すぎる、濃すぎる27分だよね。
ずっと泣きっぱなし。

今はこの初代キャストの方もほとんどが鬼籍に入られた。
そんな今、リマスターされた綺麗な映像でこの映画が観られるのは本当に素晴らしいことだよ。
Shion

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