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テイク・ディス・ワルツのkojikojiのレビュー・感想・評価

テイク・ディス・ワルツ(2011年製作の映画)
3.8
すごく良かった。
ミッシェル・ウィリアムズが微妙な心理状態をきめ細かく演技している。演出がまた見事で、どこか満たされない気持ちをこんなに見事に描き出した作品は観たことがない。女性監督でないと描けない作品かもしれない。

不倫ドラマは観ないと宣言して、2本目。宣言撤回も時間の問題か。
しかし、今まで観た不倫映画の中ではダントツの作品だった。

フリーライターのマーゴ(ウィリアムズ)は、取材で訪れた地でダニエル(カービー)に出会う。
偶然が重なり、帰りの飛行機からタクシーまで一緒になったダニエルはマーゴの向かいの家に越してきたばかりだというまさに運命のめぐり合わせ。しかし、マーゴは結婚5年になる夫ルー(ローゲン)と幸福な結婚生活を送っていた。残念のばすが、それは見かけの話で、倦怠感が二人には漂い始めていた。ダニエルは優しいし、愛されている。満たされているはずが、何か違うとマーゴが思っているのを言葉ではなく普通の生活の中から描きだしている。ウィリアムズの演技が抜群だ。

そして結婚記念日の夜、二人は食事をするが、何も語ることがない。「愛している」「愛してる」の言葉がそれを強調する。二人のすれ違いが明らかになるシーンだ。

ミッシェル・ウィリアムズを意識したのは、「フェイブルマンズ」のお母さん役。アメリカ人らしい女優さんだと思っただけでそんなに良かったと思ったわけではない。ただ印象にははっきり残った。しかしこんな素晴らしい女優さんとは知らなかった。

No.1471 2023-503
2011年 アメリカ🇺🇸映画

監督・脚本:サラ・ポーリー
音楽:ジョナサン・ゴールドスミス
撮影:リュック・モンテペリエ
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