海

テイク・ディス・ワルツの海のレビュー・感想・評価

テイク・ディス・ワルツ(2011年製作の映画)
-
早く目が覚めてしまった休日の朝に、もう少し眠りたくて目を閉じて迎える途切れ途切れの微睡み、ちょうどあんなふうにすべてをあいされていたい。夢を見ることも増えたし、電気を消してから長い間眠れない夜も増えた。サプリメントに頼る日が来るなんて思ってもみなかったけど、効き目ないし、じゃあそれはいつのわたしなのかも、わからない。確かめたくてどれだけ触れてみても結局最後までわからなかった。この冬の間にはたぶん終わってしまうものたち、さよならを待つために、出会ってるみたいじゃない、わたしたちって。ひとはひと、わたしはわたし、だからしたくなる、空港から出るまでとかプールで息を止めてるあいだだけとか、そんな束の間を永遠のふりして誰かと共有したくなる。嘘をつかれたいの、ほんとを知るために。終わらないワルツにわたしを連れていって中に入れてほしい、どうしてあなただったの、そんなの、相槌のタイミングと変わらないくらいちいさなことよ悲しくなるほど、どうだっていい。夢から覚めたあと、音楽が止んだあと、「あなた」が終わったあと、満ちてこぼれるのが怖い。怖いことが、怖い。
海