イッテルビウム中田

白雪姫のイッテルビウム中田のレビュー・感想・評価

白雪姫(1937年製作の映画)
5.0
ディズニー映画、ひいては長編カラーアニメの原点といえる作品。4年間の歳月を費やして作られており、戦前とは俄かに信じがたい完成度である。

特筆すべきは7人の小人たち。企画段階では10人近くいたらしい。削られるのも無理はない。英題では『白雪姫と7人の小人達』とあるように、彼らもまた白雪姫と同様に物語の根幹を支える重要人物なのである。
手を洗う場面やら、それぞれの寝顔を併せて5分近く映すなど、個性的な見せ場がそれぞれ用意されている。

物語の内容自体は多くの人が知っていることだろう。
それでも観る価値があるのはアニメによる表現の美しさと『ハイ・ホー』『いつか王子様が』など物語を彩る楽曲だろう。
当時の人々にとってこれ以上贅沢な娯楽はあっただろうか。
(かの手塚治虫も50回以上観たそうだ)

『美女と野獣』『リトル・マーメイド』『ジャングル・ブック』など多くのクラシック作品が近年実写化されている中、『白雪姫』も同様やな実写化されるそうだ。
近年はディズニー・プリンセスが〝かわいいキス待ち〟から〝自立したかっこいい〟女性像に変化しつつある。
前者の発端とも言える白雪姫。レイチェル・ゼグラー演じる白雪姫に注目したい。