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白雪姫のrensaurusのレビュー・感想・評価

白雪姫(1937年製作の映画)
4.5
スッゲェェェーーーッッッ!!!なんじゃこりゃ!!!???1937年にコレ!!??そりゃ今なお語り継がれますわ。ずっと面白くて見ていられるのがすごい。

印象的だったのは、あまりにも純粋無垢な白雪姫と、画面上の夥しい数の小動物がぬるぬる動かされ、のびやか且つコミカルなアニメーションに仕上がっている点。

王子様を待つか弱い女性像として揶揄されがちな「お姫様」だが、ある一国のお姫様なら求婚に来る王子様が居るのもある意味当然で、自分がお姫様であることを知っているのなら、「王子様を待つ」というのは真っ当な願いと振る舞いなのである。

ただ、政治面を一切排した物語なので、女王は姫を殺した後どうするつもりなのか、女王が死に、王子様の国に吸収されたのか、全ては語られず、藪の中状態です。

この作品をより名作たらしめているのはやっぱり音楽だと思います。ミュージカル調の絵作りで整った画面の中で、キャッチーかつ美しく楽しい音楽が良きタイミングで挟まれるので、全体的にリズムがいい。それでいてふとした時のアニメーションの美しさやリアルさに魅せられる。絶妙な気持ちが見て取れる所作とか、魔女の老婆らしい歩き方とか。

こういった物語性のある長編アニメーション作品を打ち立てたのが今作であることを考えると、凄まじい完成度なのが分かる。

自分のツボだったのが、白雪姫が逃げる時に森の中のものが顔に見える心理描写と、白雪姫が自分のことを「白雪です」と名乗るところ。そっか、あなた白雪なのですか(笑)日本語で聞くとなんか面白い。

というか14歳なんだよなぁ。そう考えると所作が高貴すぎるし、純粋過ぎるのも頷ける。っていうか、あの小人たちは何なんだ。なぜ女王のことを知っているのか。振り返ると結構謎の多い作品だが、鑑賞時はほとんど気にさせずに見せてしまえる作品力のある作品だったなぁと思います。
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