おかだ

トイ・ストーリーのおかだのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー(1995年製作の映画)
3.7
この作品以前のCGは、主にアクションやアクションのための特殊効果に用いられていた。
数ある作品の中では、爆破やヘリなどのシーンでそれを乱用し
我々をうんざりさせるものも見受けられる。
そんな中、突如現れた史上初のフルCG長編アニメーションが今作なのだが、最初のCGアニメがアクションでは無いという事実は非常に衝撃的ではないだろうか。

今作の良いところはたくさんあるが
まず、キャラクターを「おもちゃ」にした点について。
プラスチックや布の素材感・造形・色合いなど、CGで表現することに意味が生まれているのが素晴らしい。

また、「人間が見ていない間におもちゃが動く」という子供心をくすぐる設定と「おもちゃが子供に遊んでもらうために競う」というシンプルな筋書きでありながら、意外性とドラマ性を持ち合わせており、見せかけの効果ではなく脚本に重点を置いていると言える。
特に、カウボーイと宇宙飛行士という流行りと廃りの対比は実に巧妙である。

最後に、誰しもが持つ嫉妬という感情や倫理観のすれ違いから生まれる争いを、観る側が共感できる動機や背景を持つように演出し、コメディとして昇華させている点がこの映画を名作たらしめる要素だと思う。
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