ジョンカーペンターの初期監督作品。
宇宙探査船"ダークスター"号に搭乗する乗組員達のちょっとおかしな日常を描く、インディペンデント色溢れるSF映画。
物語の舞台は"宇宙開拓の探査船"であるため、『インターステラー』や『2001年宇宙の旅』などの大物SF作品と大体似ているんだけど、あっちがとんでもない使命を抱えていたのに対して、こっちは一言でいうとすごくゆるゆる!
ブラック企業のライン作業を宇宙でやってる感じに近く、テーマソングはまさかのカントリー調!
ナンセンスな曲調がSFな雰囲気と妙に合っていてそのゆるさに拍車をかけています。
そんなダークスター号には『宇宙空間をずっと見続けている隊員』や『風船宇宙人』なちょっとおかしな奴らがいて、おまけに宇宙船自体もかなりポンコツな欠陥品!
誰もいない宇宙空間だから、『いつか内側と外側が壊れてしまうんじゃないか』みたいな恐怖と孤独感が半端ない。
話に目標が無いのでストーリーが無いように思えるけれども一応あり、
物語が進むにつれて船の様子と事態がどんどん悪化していき、最後はとんでもないことになる。
でも、その時の隊員達の
『まあ、いいか』
な感じはすごくニヒルで、なんか哲学的でとてもゆるい。
『友達にB級映画を勧めてみたら冷ややかな反応が返ってきた』
『大好きな作品が大団円で終わってしまった』
そんな時に感じる、取り残された感や儚さとかが滲み出てる作品です。
『遊星からの物体X』で『物体X』が来なかったならこうなっていたんだろうか。