ストーリー?批評?リアリティ?テーマ?
うるせ〜バカ!そんなもの全部クソ喰らえじゃ!
これがマイケル・ベイによる伝統的なハリウッド映画じゃ!
U.S.A! U.S.A! U.S.A!
世紀末に作られた、アメリカ人によるアメリカ人のための、アメリカっぽいバカ映画(もちろんいい意味で)。
とにかくめっちゃ楽しい。
ためになるとか、感動するとかはなく、ただただ楽しい。
掘削のスペシャリストを小惑星に送り、掘った穴に核爆弾を埋めて爆発させるミッション。
意味不明でアホすぎるストーリーを、超豪華キャストで本当に映像化してしまうからハリウッドはスゴイのだ。
冒頭のニューヨークでの隕石衝突シーンでこの映画は脳みそ空っぽおバカ映画だということを肌で感じる。
爆発のあとに爆発があり、もう終わりやろと思ったらまだ続く爆発。
そして怒涛のように畳み掛けるアクションと爆発とパニックによるエンターテイメントが繰り広げられることで、観客の脳内はアドレナリンがドバドバ。
古きよきハリウッドらしい、トラブルに次ぐトラブルで観るものに休ませる暇を与えず、緊迫感を持ったまま超特急のジェットコースターに乗っている感覚に陥らせる。
主役達もほとんどが白人男性で、ポリコレなんて何のその。
極限の状況の中で、ブルース・ウィリスが核爆弾のスイッチを押せばそれで観客は満足なのだ。
まだ特撮の勢いが強く、VFXの技術や比率が乏しい時代の作品なので、小惑星やシャトルのセットなどがいい味を出している。
そこにマイケル・ベイ流の迫力あるカメラワークと、編集によるファストカットが加わり、そして役者たちがワーワーとパニックに陥っているだけで完璧。
個人的にはリヴ・タイラーがミッション中にNASAでウロウロしていたり、感情的になったり、急に彼女のソロショットにカットしたりする感じにイラついた。そこまでいい役者でもなく、ただ差し込んどけばいいやろ的な感じで存在するのがムカつくのだ。
そんなことよりもっとオッサンたちを映せ!
それほど今作はキャラクターたちの魅力がすごく、やっていることが頭おかしすぎて引き込まれる。
シーン毎に「これ何億円かかってるの?」と考えることを止められなかった。
さすがトップガンを作ったジェリー・ブラッカイマーやで。
賛否両論はあるにしろ、こういう映画があるから今でも映画文化が存続しているのだと思う。
速すぎる編集も当時は酷評されたらしいけど、今の時代はこれくらいの速さの方が合っているのでは?
理解を放棄し、感じるだけの映画。
午前十時の映画祭にて初鑑賞。
大スクリーンと素晴らしい音響で観ることができて本当によかった。