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誰かが私にキスをしたのodyssのレビュー・感想・評価

誰かが私にキスをした(2010年製作の映画)
2.5
【やや不満が残る出来かな】

(結婚・妊娠して引退した堀北真希さんを回想するレビューの第7弾! 前回の第6弾からはちょっと間が空きましたが。2010年に某映画サイトに投稿されたレビューです。某サイトは現在は消滅していますので、ここでしか読めません。)

ヒロインを3人の男の子が囲むというお話で、誰が本命か、またヒロインの記憶喪失以前と以後で彼らの関係がどう変わるのか、という筋書き自体は、悪くないと思う。

ただし、3人の男の子の設定が、日本人2人はいいとして、アメリカ人の彼がどうもよろしくない。あれだと、記憶喪失以前のヒロインはかなり蓮っ葉な女の子だった、という印象しか残らない。あそこは失敗でしょうね。せっかくインターナショナル・スクールが舞台なんだから、外国人の彼氏が生きる設定ならずっと面白くなっていたはずです。

ただ、最近の日本の青春映画というとなぜか純愛的で、キスシーンすらなかったりするのが多いので、その点ではいいんじゃないかと。だって肉体的な欲求も旺盛な時期でしょう。好き合っているのに手を握るだけとかは、不自然ですよね。また、ヒロインにセックスの体験があると匂わされているのは、リアリティという点から言うといいんじゃないかな。ただし、その必然性があったと納得できるような作りになっていないところが甘いんですけど。

父親の再婚話とか、相手(とその家族)の設定なんかはどうなんですかね。少女マンガだと思えば別にリアリティも要らないのかもしれないけど、何か浮いている気がする。少女マンガならそれに徹するべき(『プライド』みたいに)だけど、徹しきれなかったような。

堀北真希さんは、私的には比較的好きな方なんですが、もう少し体当たり的なシーンも欲しかったようにも思います。もっともこれは彼女が悪いのではなく、制作側の問題でしょう。若い女優を大事に、というか、あんまり冒険的なシーンをやらせない邦画の体質、どうでしょうかね。
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