ENDO

ジェラシーのENDOのレビュー・感想・評価

ジェラシー(1979年製作の映画)
4.5
心底うんざりするほど濃密なニューロティックなラヴストーリー。過去と現在が錯綜し、昏睡状態の気道切開からして痛々しく、全てが終わってしまったことが判明したところから始まる。何故そうなったのか?我々は刑事の目を通して少しずつ核心に迫って行く。ある種のノワール・ミステリー。自由に人生を謳歌しそれでも彼に包容力を求めるミレナと、精神分析学の権威でありながら独占に拘泥し、ネクロフィリア的に動かぬ彼女を安心して犯すアレックス。少なくとも2人の中には情動はあっても想像力は皆無だ。そもそも価値観が違いすぎる。道化師になり自分の葬儀をするというミレナの救われなさ。ハーヴェイ・カイテル演ずる刑事は最期に救いの手を差し伸べる(彼自身もその告白によって救われるかのように懇願するのだが)それすら未遂に終わり、どうしようもない2人の邂逅を見せられて呆気なくエンディングを迎える。一人きりの刑事の部屋を経て。辛くて最高。
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