こぅ

暴力教室のこぅのレビュー・感想・評価

暴力教室(1955年製作の映画)
4.3
リチャード・ブルックス監督による、【不良vs熱血教師
物語】。

追悼 シドニー・ポワチエ(1月6日死去)①。

OPのテロップで、
「教育現場に広がる少年非行行為は懸念材料で、本作で描か
れる事柄はフィクションだが、解決の第一歩として本作を製作
した」と流れる。

そんな 社会派としても娯楽作としても 優れたドラマだ。

テーマ曲として、[ロック・アラウンド・ザ・クロック]↓
が、軽快に流れるが、学園ドラマ楽しそう⁈なのはここまで
で、、

https://youtu.be/zju6KbP_1xY


バスを降りて、高校の門をくぐるのは、元海軍のリック・
ダディエ(グレン・フォード)で、国語教師として面接に
やって来た…。


採用が決まり、声が小さく頼りなさそうだったリックだが、
翌日の初登校授業前の不良生徒らへのトイレでの喫煙注意
(喝‼︎)の頼もしさで一気にキリッと観入る体勢に没入。

やはり、この手の やりたい放題の不良どもに屈せず立ち
向かう教師 は、カッコ良いし、応援したくなるし、スカッと
胸がすく。

お馴染み、教師が黒板に名前を書いていた最中に硬球を投げ
つけてくる洗礼を喰らい、戦線布告‼︎
中ではリーダー的存在のグレゴリー・ミラー(シドニー・
ポワチエ)は、風格が違う。
そのグレゴリーをいち早くリーダーと見抜き、クラスを統率
させようと目論んだリックは賢い。

大抵、不良学園ドラマでは、リーダーは骨があり、賢く、
教師との友情、絆が描かれる。
本当のワル(問題児)は、No.2だったりもする。

ジョーがロイス・ハモンド女教師をレイプしようとしたところ
をリックが助けた事で、のちに襲撃に遭う。

気弱なジョシュ数学教師(リチャード・カイリー)が、
15年掛けて集めたレアな レコードコレクション を授業で
使おうとして持ち込んだら、殆ど割られてしまったのは胸糞
(その後退職⤵︎)。

学校での生徒との出来事(授業と対立)学校外での悪事を
メインに、ダディエと妻のアン(アン・フランシス)との
やり取り(これは、終盤のダディエの怒りや葛藤に意味を持た
せると共に緩急にもなっている)に限定、余計なエピソードが
ほぼなく、ギュッと詰まった脚本は、集中力を削がないのだ。

胸糞展開あれど、決して重苦しくない作風は、観やすい。

妻のアンは、妊娠中で、過去に流産している。
そのアンは、リックに他の学校を勧めるが、、。

終盤にはアンに悲劇が襲う、、
リックも激怒し、学校を移ろうと、、

クライマックス、テスト中のカンニングを巡り、リックと
No.2のウエスト(ヴィク・モロー)との対立と、ついには
グレゴリーに対して 人種差別問題発言 をし、リックにナイフ
を突きつけてくる、、
本作の特徴として、全体的に白人より 黒人を優待 して描いて
いる(下⤵︎に描かれていない)。


ラストは、綺麗に不自然に纏めるハッピーエンドを避けて、
あくまで明日に【微かな希望と成長】を仄めかせ、併せて
OPと同曲使用↓で後味も良く締める。

https://youtu.be/-eJOJhwgluE


*生徒エマニュエル役で、ポール・マザースキー監督も出演
していた。
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