まめだいふく

スター・ファイターのまめだいふくのレビュー・感想・評価

スター・ファイター(1984年製作の映画)
3.0
 とある田舎町。アーケードゲーム『スターファイター』でハイスコアをたたき出し、新記録樹立に喚起する青年アレックス。興奮冷めやらぬその夜、彼の前にデロリアンっぽい車が現れる。運転士はセントーリと名乗り、何とアレックスを本物のスターファイターとしてスカウトしに来たのだという。
 実は『スターファイター』は単なるゲームではなく、銀河の平和を脅かすズアー率いるコダン艦隊と戦う戦士を選ぶためのテストとして、宇宙同盟の一員であるセントーリが作ったものだったのだ。
 理解が追い付かないまま宇宙空間にあるステーションに連れていかれたアレックス。彼はこのままスターファイターとなって戦う道を選ぶのか、それとも……。

 ファミコン世代必見のスペース・ムービー!

 本作の大きな特徴は、戦闘機や宇宙船などをすべてCGで表現した初めての映画という点。本作の数年前に公開されている『スター・ウォーズ』でもX-ウィングの表現をCGで行う実験はされていたが、ジョージ・ルーカスが費用が掛かり過ぎるという理由からGOサインを出さなかった。
 それだけ大変な作業となる、映画における本格的なCG演出を『トロン』の世界をCGで作り上げたジョン・ホイットニー・ジュニアとゲーリー・デモスが再びタッグを組み、『トロン』のような仮想空間ではない、現実世界に登場するマシンらを、当時の最新技術を駆使して見事に作り上げたのである。
 もちろん、今見てみるとショボいことこの上ないが、現在のCG技術と比べてはいけません。むしろ、本物と見分けがつかないような最近のCGにはないレトロな雰囲気がたまらない。
 CG以外のステーション内のセットや異星人の特殊メイクなどもしっかりと作られており、シナリオもなかなか面白い。宇宙戦闘機ガンスターの最終兵器の意外性には笑ってしまった。
また、ところどころに、やはりというべきか当然というべきか『スター・ウォーズ』を意識したであろう演出もある。
 エピローグが若干駆け足気味で、なんでみんなそんなに呑み込みが早いんだ? と突っ込みたくなるが、この町の住人達には、難しいことはあえて考えず、ありのままをすんなりと受け入れてしまうようなおおらかさがあるのかも。序盤でアレックスがゲームでハイスコアを出すところを、老若男女問わず、町中の住人がみんな集まって見に来て、みんなで喜んだりするシーンからしても、町の住人全員家族みたいな、片田舎ならではの土地柄を感じることができる。要するに、みんな優しいんだなあ。

 因みに、続編があってもおかしくはない終わり方をしたけど、どうやらこれで完結らしいですな。
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