TaiRa

ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔のTaiRaのレビュー・感想・評価

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「今度は戦争だ!」を地で行くので爆上がりした記憶がある。こっからファンタジー映画と一緒に戦記物も流行ったな。

途中で始まって途中で終わる映画を初めてみたのは『二つの塔』だった気がする。当時、SWにノれてなくて『帝国の逆襲』とかちゃんと観てなかったので。映画の半分くらい戦争描写で思い切りあるなと思う。今作から三場面同時進行がデフォになるので交通整理が面倒そうだけど、ちゃんと分かりやすく見せてんのが凄い。ローハン編はどんどん外堀埋められていく感じで、全てがラスト・ミニッツ・レスキュー演出の為の振りになっている。ピージャクはずっとこの方式やる。危機的状況!→援軍到着!の繰り返しを作品通してどんどん供給していくスタイル。角笛城の合戦に突き進む展開は、子供ながらにこんな負け戦に駆り出されたくねぇ〜って思ったの覚えてる。ファンタジー映画だと思ったら、中世時代の攻城戦を忠実に再現されたのも面白かった。大戦描写なんかは後にグリフィスやら黒澤やらの映画を観た時に『ロード・オブ・ザ・リング』みたいってなるキッカケ。個人的には古典映画への素地を作ってくれた作品でもある。ピピンとメリー編のエントが中々戦いに参加しようとしないのは、これが「人間の世界」の始まりを賭けた戦いだからだと初めて腑に落ちた。他の種族にとっては割と他人事っていうね。あと、今作を初めて観た当時はゴラムの実在感にはビビった。今ではアンディ・サーキスの芸達者ぶりも透けて見えるけど、振り返って観ても良く出来たキャラクターだと思う。フロドのパートがこっからずっとダウナー方向に一直線なのも異質だったな。
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