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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔のkuuのレビュー・感想・評価

4.0
『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』
原題 The Lord of the Rings: The Two Towers.
製作年 2002年。
日本初公開 2003年2月22日。
上映時間 179分。
J・R・R・トールキンのファンタジー小説『指輪物語』を映画化した3部作の第2部。
前作のラストで3手に別れた旅の仲間たちのその後が描かれていく。
ローハンのセオデン王、エオウィン、エオメル(腐敗したスーパーヒーローを描くドラマ『ザ・ボーイズ』ブッチャー役で個人的には嵌まってるカール・アーバン)、ゴンドールのファラミア、ゴラムやエント族など新キャラクター、クリーチャーも多数登場。

滅びの山を目指すフロドとサムは、後をつけてきたかつての指輪所持者ゴラムを捕え、モルドールへの道案内をさせる。一方、オークにさらわれたメリーとピピンを助けるため後を追うアラゴルンとレゴラス、ギムリは、騎馬部隊で名高い王国ローハンにたどりつく。
しかし、同国の王セオデンはサルマンの魔法により正気を失い、国は衰弱しきっていた。

昨日見た前作から違うジャンルの二本映画を挟み、高橋メアリージュン主演の『闇金ウシジマく外伝闇金サイハラさん』(メアリー怪演。関係なく🙇)の一話を見た後に、LOTRへの切り替えができるか不安があったけど、再生したら直ぐに没入できた。
今作品は、エレガントで有機的なだけでなく、無骨で工業的なアートディレクションも、この映画の素晴らしい要素と云える。
それは、無限のインパクトを与えるリアリズムを自ら作り出していると感じるからです。
また、キャストもホンマ素晴らしく、互いに完璧に演じ合い、異なる国籍のキャラがそれぞれのキャラを新鮮で興味深いものにしています。
今作品には登場人物の数が多いし、個人的に注目した演技をピックアップすると(羅列に近い書き方ですが)。
ホビットに関しては、イライジャ・ウッドが、大きな瞳の無邪気さから偏執的なリングジャンキーへと見事に変身を遂げ、ショーン・アスティンは、限りない友情と、ありそうもない勇気を美しく表現していました。
ドミニク・モナハンとビリー・ボイドは、一緒にいるときは楽しいコメディーリリーフを、離れているときは説得力のある人物造形を提供してくれ、イアン・ホルムはわずかな時間しか画面に映らないが、ビルボ役で驚くほど印象に残る。
イアン・マッケレンはガンダルフを力強く演じ、長い旅路の中で希望と説明を与えてくれる。
さて、次はミスマッチの三銃士。
ヴィゴ・モーテンセンはアラゴルンを力強く、逞しく、そして苛酷に演じ、オーランド・ブルームとジョン・リース・デイヴィスは互いを演じ分けることができれば、ただただ素晴らしい存在でした。
ボロミア役のショーン・ビーンは、物語の途中で悪役を演じていますが、それでも彼に同情してしまう。
先に述べた二人の息子の悲劇的で腐敗した父親デネソールを演じたジョン・ノーブルが、そのシェイクスピア的演技でオスカーをもらわない理由はない。
また、今作品は視覚的な驚きも持ち合わせている。
シーンのトーンをさらに効果的にする幻想的な照明、各キャラに独自の戦法を与えた緻密な殺陣、巨象に登ってたった一人で倒す戦士、丘の斜面を滑り落ちる2000頭の馬、裂け目に落ちる巨大階段などの驚異のアクションシーン、そして、今作品には独自の映像美がある。
また、ジェットコースターのような巨大トンネル、塔の上を飛ぶ蛾の1分間ショット、忘れられた王の像のような高さ1マイルのパンなど、ダイナミックなカメラワークも見どころのひとつやと思います。
これだけのスペクタクルを持つ映画では、CGIが期待されるが、ここでは目にも留まらぬ感。
巨大なモンスター、CGIのセットや風景、作り込まれた軍隊、これらすべてがコンピュータによって完璧に映画の中に組み込まれ、あたかもカメラの前にすべてがあるかのようにリアルに見えるし不思議。
しかし、今作品の技術的な達成は、あるものに比べれば屁でもない。
ゴラムだ。
彼の動きは完璧で、声も完璧、驚くほどリアルな肌の色も息をのむほど。
彼を憎むか、憐れむか、共感するかは観るもの次第。
今作品はそんな彼を、偏見なく、公平に描いているし、彼はまったくもって、レベルの高い映画技術的偉業のひとつです。
ともかく、次回で三部作最後。
旅の行く末はどうなんのか。。。
果たしてフロドたちの運命は。。。
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