茜雫

TIME/タイムの茜雫のネタバレレビュー・内容・結末

TIME/タイム(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

いや〜〜〜〜〜めちゃくちゃ面白い!!

「お金(通貨)がなくちゃ生きていけない」があまりにも明確に可視化された世界。
常日頃から自分の全財産を1円単位で把握する人ってそんなに多くないだろうけど、それが自分に残された「余命」となると話は別よね。お母さんが目の前で亡くなるシーンがあまりにも辛くてこの世界の不条理さと真実が垣間見えた感じがした。

ってかシルビア姐さんかっっっこよ!?最初出てきた時はなんというか、自分が優位であることが当然のような顔してたけど、スラムに行ってからの彼女はめちゃくちゃかっこよかった。NO.6で「西ブロックに住む人はみんな一生懸命生きている」というような話があったけど、本当にここまでわかりやすい自転車操業だとそうせざるを得ないんだろうなぁ。この世界に適合できる気はしないけど、一生懸命生きている彼らは眩しくもあった。

自分の寿命があそこまで明確にわかって、残り1分足らずで死ぬってわかった時、人は愛する人と口づけを交わすんだなという、この感情の美しさに感動してしまった。永久に生きていくことではなく相手を1秒でも長く生かすこと、そして残されたわずかな時間に相手の温もりを感じ取ること。
日本の映画だとここまでストレートに描けないだろうとも思うし、少しずつ洋画独特のテンポに慣れてきた感じがする。前より見やすくなってきた。

父上が暗証番号をシルビアの誕生日にしてるとは思わなかったけど、ダーウィンの誕生日にしてたのは衝撃だったな。そんなに強者生存に縛られていたところで、見放され寿命を奪われてしまえば貴方は強者にはなり得ないのに。奪い奪われる世界では、失うものが多すぎる人間はいつだって弱者なのにね。

2022_10
茜雫

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