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新・平家物語のひでGのレビュー・感想・評価

新・平家物語(1955年製作の映画)
3.5
大河ドラマの短縮形のような感じもするが、時代の激変期で激しく生き抜く人々の姿をダイナミックに描き、見応えのある歴史大作!

歴史上の人物のドラマはなかなか難しい。
視点が複雑過ぎては観客に伝わらないし、
簡単過ぎると、その時代に生きた感じがしない。→今の大河ドラマはその典型。西郷さんは今のリベレ議員かい?

その点、本作は非常にシンプルでありながら、時代感も出している点は、とても観やすい&重厚さも兼ね備えている。

つまり、歴史の狭間、
中世の貴族・院による勢力と
新しき武士階級の対立。

いや、まだ対立まで行っていない。

よーやく武士が都に進出し始めた頃の物語

合戦で手柄を立てても、謁見も恩賞もない武士。

合戦後の宴席も自腹で馬を売って賄っている。

さあ、そこから平清盛を先頭にどうやって旧体制を打ち破っていくか、

歴史は動くぞ!って、ワクワクします。

それと、大河ドラマの主役なんかもそうなんだけど、
「こいつは歴史を引っ張っていくかも!」て、雰囲気を持ってないとね。

その点、市川雷電はすごいわ!
粗削りたけど、あ、こういう人が切り開いいくんだなって、説得力かある!
さすが、銀幕のスターさんはオーラが違う。

そして、この映画の製作年。1950年。
もちろん、そっからだって、平安時代末期は、はるか、はるか過去なんだけど、

武士の屋敷だとか、町や市の様子なんかが、作り物ではないリアル感が漂ってくるのもこの映画の魅力の一つ。

昭和30年は、かすかにだけど、中世とも地つながりだったのかもしれないな、なんて感じました。
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