ばんがど

白い巨塔のばんがどのレビュー・感想・評価

白い巨塔(1966年製作の映画)
4.5
重厚な醜さ。仕事の本質も正義も忘れ、自らの出世欲を満たし利権拡大を図る。ふと上を見てみると大体3分の2はこういう人。若い頃は下品で格好悪いなと思ったけど、オジサンになるとその貪欲さはある意味才能だなと尊敬できる。もちろん残る3分の1の本質を忘れてないような人の方が断然尊敬できるんだけどね。財前もそうだが、人格ではなく役職のみで人を見る人は結局自身もそう見られてしまうからその役職がなくなった瞬間お仕舞いになる。そろそろちゃんと人格形成しないとまずい年頃なんだなぁと思いました。

最近話題に登った原作者と脚本家のトラブル。原作レイプなんて言葉が使われ始まったのが昨今の原作トレースブーム。ぶっちゃけ最終アウトプットが面白ければそれが原作通りかどうかなんてどうでもいいと僕は思う。原作山崎豊子と脚本橋本忍というキングコング対ゴジラ並みの巨匠対決となった本作のように映画界には素晴らしい原作たちをキッチリ編纂し時には大胆なアレンジもしてちゃんと映画化していって欲しいと思います。
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