マーくんパパ

五月の七日間のマーくんパパのレビュー・感想・評価

五月の七日間(1963年製作の映画)
4.0
核軍縮の進展する米ソ冷戦時代の近未来、紙の条約で仮装の平和が保てるのかと弱虫外交の政府転覆クーデターを企む空軍将軍B.ランカスターと、その計画に気づき民主主義のルール破棄してまでの暴挙は許されないと大統領に通報して立ち向かう将軍付き事務官のK.ダグラス。双方の水面下でのX デイまでの七日間の攻防が、派手な立ち回りこそ無いが007さながらの緊迫感を伝える。設定した近未来を飛び越えそれから半世紀、米ソどころか世界に核は拡散し今もどこかの近い国で一触即発の陰謀が進行しているのでのは?とその現実性はより深刻になっている怖さ。厄介なのは同じ国を愛する信条から出る方法論の違いの根深さ、大統領会見での“力を保持して説得仲介で世界の平和を守る”が死語になったアメリカの混迷が世界の矛盾を拡大している正に今観直す価値の高い映画でした。