エイデン

Another アナザーのエイデンのネタバレレビュー・内容・結末

Another アナザー(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

1998年4月19日、“夜見山市”
父の仕事の関係で亡き母の実家があるこの街に引っ越して来たばかりの中学生 恒一は、生まれつき身体が弱く、発作を起こして病院に担ぎ込まれてしまう
全身麻酔で眠りに落ちた恒一は、病院内で眼帯を着けた学生服の少女に丘へ連れて行かれ、写真でしか見たことがない母に出会うという不思議な夢を見るのだった
始業式にも退院は間に合わず、検査入院を続けることになった恒一は、翌日エレベーターの中であの眼帯の少女を見かける
人形を抱いたその少女は、胸の痛みを覚えながら声を掛けた恒一を無視して、1人霊安室の中へ消えていくのだった
5月6日
ようやく退院した恒一は、“夜見山北中学校”へ初登校の日を迎える
3-3組に案内され、教室の前で自己紹介をしていた恒一は、部屋の隅の席にあの眼帯の少女が座っていることに気付くが、後でそこを見るとその席には誰も座っていなかった
その後 勅使河原や風見らクラスメイトにクラス名簿を渡されるも、あの少女が座っていた席は空席だと聞き、あの少女が自分にしか見えていないことを知る
やがて帰宅した恒一は、祖母と共にこれから同居することになる叔母の怜子と出会い、彼女がクラスの副担任だと聞き驚くのだった
怜子はいち卒業生として、「屋上でカラスの声を聞いたら、中に戻る時は左足から入る」、「3年生が裏門の外の坂道で転んではいけない」、「クラスの決め事は絶対に守ること」、「家と学校との区別をつける」という学校で過ごすうえでの4つの心構えを恒一に教える
翌日 校庭で桜木というクラスメイトと話していた恒一は、校舎の屋上で自分を見つめるあの少女を発見
案の定 桜木も少女が見えていない様子だったが、気になった恒一は屋上へと向かい、その少女と再会する
彼女は見崎鳴と名乗り、またも胸の痛みに襲われた恒一に「もう始まってるかもしれない」と不思議な警告を発して去って行く
その日以来、周囲では恐ろしい事件が発生するようになり、恒一はクラスに秘められた秘密に触れていくこととなる



綾辻行人原作の同名小説を原作としたミステリー・ホラー映画

アニメ公開と同年に公開されるほど、原作人気の波に乗って作った作品という印象
映画という時間の制約がある中だからか諸々改変も加えられており、原作やアニメから入った人は違和感あるかもしれない
特にアニメですら離れ業で表現して見せた叙述トリックをド初っ端から当事者がバラすという別ベクトルの離れ業も披露している点はかなり頭が痛い
ちなみに代替となるトリックも特には無い

他にも主演の山﨑賢人、橋本愛はじめ、おおよそ中学生には見えないキャラが中学生してたり、急に青春じみたことになったりとツッコミどころは多々提供してくれている

ついでに言えば原作だとサブキャラっぽいクラスメイトがモブと化してるので、クラスメイト間で疑心暗鬼になるミステリー調が知らん奴同士の地味なものになってたりするのもちょっと気になる
とはいえ学校内でのいじめという日本っぽい陰湿な描写とか、後半のギスギス具合は良い
更に終盤では、モブキャラが安い『ファイナル・デスティネーション』のようにポコポコ死を迎える愉快な地獄絵図も拝め、「アナザーなら死んでた」を実写で観られるのは個人的にポイント高め

前述のような人気の波に乗ろうとしてか力の入った点があるのは認めるけど、総評としては凡作気味
というか割と出来の良かったアニメ版の後発で出すものではない
まあ、観ないと死ぬかもしれないので観ましょう
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