ロングで速度を撮ろうとすると馬鹿らしくなる。競輪場をオートバイで周回する津川雅彦が「わかったか!」というと山上輝世が「わからないわ」と応えるのだけどしまいに返事しなくなるところがどうにも微笑ましい。
あまりに安直な津川雅彦演じる青年に苦笑したくなるが、野望と知性のチグハグさは哀しいものがある。死ぬことすらできず「オトコメカケ」にしかなれない男の有頂天ほど哀しいものはない。
人の家にズカズカ入っていく、みたいなことを男も女も繰り返していた気がする。
『青春残酷物語』との共時性はもちろんあるが、それ以上に『すべてが狂ってる』を思い出した。