玉生洋一

ビッグ・フィッシュの玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

父と息子のドロドロした確執の話かなと思ったら
回想シーンメインの大人のファンタジー映画だった。

父親が何十回と繰り返すホラ話ときくとヘドが出るが
映像化されたものは
「若者の無根拠な自信」
「父が心から楽しんで息子に話す様子」
「愛に一途に生きる姿」
「人助けに邁進する姿」
などがキラキラと描かれていて心地いい。

そのすべてが嘘ではないということが徐々に明かされていく構成も気持ちがいい。
ラストで息子が渾身の力で病院から脱走するホラ話をする場面は
クライマックスとして盛り上がる。
川の場面と実際の葬式の場面は、ホラと現実なのに
参加者はほぼ同じというのが父の人生の成功を表していてすごい。

所詮この映画も作り物なわけだけれども
自分がホラ話の主人公となるくらいの生き方をしないと
満足のいく人生は全うできないのだと思わされた。

映画ばかり見ていてはいけない。

※2024プレシネ。ジェニーの話をきくくだりのあたりはWOWOWの吹替版で見た。