百合ちゃん

ビッグ・フィッシュの百合ちゃんのレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
3.6
タイトルのビッグフィッシュは「誰も知らないホラ話」という意味があるらしい。最後のシーンで表されてるけど、父が吹いたホラ話なのに、父自身がその話になり、人々の中で永遠に生きる。ん?これって、ティムバートンそのものじゃない?彼が作ったウソの物語たち。彼自体がその物語となり、彼が死んでも人々の中でその物語と一緒に生きることになる。ふぉ〜!

父と息子、か。どんなかんじなんだろう。男兄弟がいない私が抱く父と息子のイメージ、2人でいる時は2人とも照れくさくて口数が少なくて、息子が結婚とか仕事の悩みとかを抱いて父にあった時、それを無言で察して飲みに行くぞってカウンターの居酒屋に行って、2人で無言で飲みながら父が息子の背中をポンって叩くイメージじゃ...(とんでもないステレオタイプ...実際どうなの?)

息子はいつもホラばかり吹いていて父さんの本当の姿がみえないって憤慨してるけど、あの誇張されたホラ話こそ、父から息子への愛であったのだなと。正直ちょっとまだよくわからないけど。つまらない現実をそのまま伝えるよりも、愛を持ってカラフルに長い尾ひれを付けて語る方が何百倍も人生が楽しくなる。息子には夢を持ってほしかったってこと?

人は必ず死ぬっていうのは、自明。誰もが知っている紛れも無い事実。でも、自分がどうやって死ぬのかは誰も知らないっていうのも自明。もし自分の最期を知っていたら?もしかしたらそうすることで無敵になれるのでは?って思った。こんなことで死ぬはずないって思えば、どんなこともできるのかもしれない!死ぬ気でやるっていうのもよく聞くけど、ここで死ぬはずないって強く信じるのも1つだなって思った。