福福吉吉

あかね空の福福吉吉のレビュー・感想・評価

あかね空(2006年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
京の豆腐屋で修行を積み、自分の店を持つために永吉は江戸へやってきた。水の美味しい井戸のある長屋で永吉は豆腐屋を開くが、永吉の豆腐はなかなか受け入れられない。しかし、同じ長屋の娘のおふみの応援もあり、少しずつ光明が見えてくる。

◆感想◆
ストーリーは大きく二つに分かれており、永吉が江戸で店を開き妻をめとるまでのストーリーと、前半の18年後の永吉が豆腐屋を守りながら妻や子供たちと衝突していくストーリーになっています。

永吉(内野聖陽)とおふみ(中谷美紀)を中心にストーリーが進んでいき、前半では初々しく明るさに満ちたキャラクターになっている一方、後半になると一転して頑固さや厳しさが際立つキャラクターに変わります。年齢の差を2人が巧く演じきっていたと思います。

後半になるとストーリーが大きく動き、2人の子供である長男・栄太郎が江戸の豆腐屋界隈に睨みを利かされ、その挙句、賭場に入り浸りになります。栄太郎の若さが仇となり、老舗豆腐屋の平田屋(中村梅雀)の罠にハマります。平田屋の意地悪さがとても良く出ていて良かったです。

栄太郎をめぐって永吉とおふみの仲も険悪になり、栄太郎を擁護するおふみの永吉に食って掛かる姿は迫力があって息子を想う気持ちが強く伝わってきました。

終盤の展開はあまり納得のいかないものを感じました。長男・栄太郎と次男の悟郎、長女のおきみの確執があっさり無くなったり、作品冒頭で描かれていた「ショウキチ」の失踪の事実が曖昧に終わったりと明らかに時間不足を感じました。

後半が思いのほか内容が詰まり過ぎて、消化しきれていないように感じました。作品としては普通に楽しめましたが、もっと良くなった気がして残念に思いました。

鑑賞日:2024年1月31日
鑑賞方法:BS日テレ
(録画日:2023年3月9日)
福福吉吉

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