どらこ

エンター・ザ・ボイドのどらこのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
3.9
今まで見た事がない、マジモンのクスリ体験映画。

本当にクスリをキメた感覚に陥る。これ、一切誇張してません。

予め言っておくと、精神が不安定な状態で見たら絶対いけません。

視点は常に「主人公」の目線。

クスリをキメるとどういう景色や体調になるのか、一人称視点で描かれる。それも淡々と。

POVとはまた違った視点なので、常に主人公の瞬きや見ている幻覚、不安定な精神が上手く表現されている。

おそらく、中毒者が日常でどういう景色を見ているか、初めて具体的に表現した作品なのではなかろうか。

薬をキメたあとの動きの残像やチカチカする感じや、音楽が爆音になりハイテンションになる過程……寝ている時の万華鏡のような湾曲した視界……
序盤のポリゴンフラッシュ連打の時点で明らかに普通じゃない作品というのがわかる。視聴者を狂わせにかかっている。

見終わったあと物凄く目がチカチカしたし、気分が最悪というか頭の中がずっとグルグル回っている感覚に陥った。

こんな映画は本当に初めて。
一言でまとめるなら「危険な映画」です。
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