タマル

フル・ティルト・ブギ/メイキング・オブ・フロム・ダスク・ティル・ドーンのタマルのレビュー・感想・評価

3.5
ロバート・ロドリゲス
「この映画(『フロム・ダスク・ティル・ドーン』)の面白いところは、最初の半分はホラー映画じゃないところ。前半を通じて、自分が登場人物になりきって映画に入り込める。登場人物に悪いことが起こる前にね。だから、よりその恐怖を体験できるわけ。多くのホラー映画はすぐに恐怖が襲ってきて映画に集中できなくなる。この映画では恐怖が襲ってくる前に映画に入り込むことができるんだ。
 それはホラー小説の醍醐味でもある。恐怖の前に登場人物をじっくり理解する。すると、彼らにより共感できる。自分自身が映画の一部になる。」

クエンティン・タランティーノ
「スティーブン・キングの小説があんなに怖いのは登場人物の描写が素晴らしいからだ。彼は本当に実在するような人々のことを書くんだ。読者が共感し、自分の心に取り込む人物を。その人物と完璧に同化したあと、彼らを地獄へと突き落とす。だから恐怖を感じるんだ。」


 私が『ヘルレイザー2』のレビューで言いたかったのは、上で述べられているようなことです。「多くのホラー映画はすぐに恐怖が襲ってきて映画に集中できなくなる。」
だからこそ、序盤〜中盤の人物描写をしっかりしておかないと恐怖展開がどうでもよく感じられてしまうわけです。世界観ホラーだからこそ、日常をしっかり描く。それができるか否かが作品の質を左右すると思います。
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