ルサチマ

ラブ・オブ・ザ・ゲームのルサチマのレビュー・感想・評価

ラブ・オブ・ザ・ゲーム(1999年製作の映画)
4.6
冗長に回想で物語る効率の悪さや露骨な音響効果などがされたとしても感動せざるを得ないアメリカ映画の魔法がこの映画にはある。映画をシナリオ構造の良し悪しや物語効率で語る奴にはこの映画の良さはわかるまい。肉体を駆使して働く人々こそ美しいのは自明のこととして、とりわけ身体運動を極めるアスリートの場合、顔の皺や汗水に至るまでそこには紛れもなく人生の痕跡が克明に刻まれていて敵わない。この映画の主人公がベンチで手にとるボールの質感と本来目に見えるはずのない重さを紛れもない物体として表象していることにグッときた。スポーツを映画化することほど難しい課題はないのだろうが、こういう映画を見ると、この難題をいつか挑戦してみたいという恐れ多い気持ちも芽生えてしまうから困る。
ルサチマ

ルサチマ