Risa

靴に恋してのRisaのレビュー・感想・評価

靴に恋して(2002年製作の映画)
3.5
原題のpiedrasはスペイン語で石。
人生の足元に転がる障害物の事でしょう。
邦題を見て ただの恋愛映画かと思ってましたが、そうではありません。
スペインのドラマなので表現上恋愛が欠かせなかったという程度。
パッケージと邦題のセンスの悪さで見かけても長いこと見てなかったのですが、予想とは裏腹、巧妙な群像劇でした。
最終的に上手くいったカップルはゲイ2組のみ!

最後は 皆 前に一歩出るような話で、最初は少しイライラしたものの、最後はスッキリ。

5年という年月が経ち 様々な事が進んだ話ですが、5年というのには とても納得。
5年あれば 悲しいだけの思い出も成長につながりますし、食生活を5年変えればロングでもほぼ髪の毛は入れ替わり、体内の細胞も入れ替わります。滞っていた支払いを5年正常に払い続ければ借入がまた出来るようになったり、人を殺害しても懲役5年なんてよく聞くものです。

様々な人をオムニバスの様に捉え、最終的には 全て 話は繋がっていきます。
狭い視野にイライラするものの、段々と多角的に広く捉えられて やっと納得がいくような、そんなスッキリも得られます。

①知的障害者の女
②その母親は売春宿の女将的な人
③知的障害者のシッターをする男
④薬漬けの男
⑤その男に嫌われた彼女
⑥その彼女を慰める同僚のゲイ
⑦売春宿の女将に恋する男
⑧その男の妻
⑨父親を亡くして我を失った女
⑩その女の父親の後妻
(11)その女の幼き弟
(12)その女が薬を飲みすぎて倒れた時に出てきた医者

これらが、、○番と○番が 出会って どうなって こうなってと、それぞれ 上手い具合に繋がっていくんです。

同じスペイン映画でも、ハモンハモンのような破茶滅茶な繋がりにはならず、むしろ正されていきます。

割と暗い内容で パッケージからは想像出来ないような話でした。
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