イチロヲ

天使の欲望のイチロヲのレビュー・感想・評価

天使の欲望(1979年製作の映画)
3.5
看護婦に従事している姉妹(結城しのぶ&有明祥子)が、妻子を養うために体を売っている、野性的な男(与志澤健)に接近していく。正反対の性格をもつ姉妹の日常を通して、満たされた性愛の在り方を描いている、東映産エロティック・ドラマ。

「所詮、バカな男のすることだからね」としたたかに立ち回っていく姉、「バカな男、許すまじ!」と嫌悪をむき出しにする妹。異なるセックス観念をもつ姉妹の乱反射と、「心と体の乖離状態」を織り込ませていくシナリオ展開。

看護師見習いの妹は、昏睡状態の患者を平然とレイプする主治医(汐路章)に従事。躁と鬱の変動が激しい演技を見事にこなしており、奇声を発した状態でのハッスルぶりに一喜一憂することができる(有明祥子は日活ロマンポルノにも主演作あり)。

東映作品だが、中島丈博が脚本を担当しており、急展開の釣瓶打ちとなっているため、日活ロマンポルノの饐えた匂いが全編に迸っている。全裸姉妹のキャット・ファイトと母の情夫役を演じる三上寛が見どころ。
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