しゅん

国境の町のしゅんのレビュー・感想・評価

国境の町(1933年製作の映画)
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1914年。帝政ロシアとドイツの国境の町を襲う、革命の機運と戦争の勃発。冒頭の水溜りと鴨、馬と居眠る男。トーキーで馬に声をあてるところまでで「お!」となるが、そのあとの人間関係が不明瞭で混沌。しかし、不明瞭こそが田舎町を襲ったものそのものであることが次第にわかってくる。最終的には革命の成就を祝うものの、その間にあったストライキ、愛国心、仲違い、不景気、戦争の膠着、恋心、排外行動、前線の和解、新政府の虐殺には、勧善懲悪を許さない気配が漲る。

貧しく純真な女の涙と、橋で崩れる馬。ドストエフスキー的にうなされる熱の中で、戦争のマシンガンと靴機械のモンタージュが襲いかかる。戦争中の砂の量がすごい。
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