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国境の町のmareのレビュー・感想・評価

国境の町(1933年製作の映画)
3.5
敵対国というだけで運命が左右され、逃げ出すこともままならない劣悪な環境で出会ってしまった男女。親を選べないのと同じように故郷も選べない私たちは時に不当な差別を受ける。この光景はつい最近だと日本でのロシア人への嫌がらせを思い出してしまう。生きるか死ぬかに限りなく近い二択を生きるストーリーなので当然重いわけだが、バルネットはこのテイストで軽妙なコメディを織り交ぜてくるから凄い。日常のふとした時の人間のミスや意図的ではない愛嬌にも似た笑いが楽しく救われる。この作品からトーキーになっていて、音響面においては、序盤の汽笛が通低音のように不穏さを醸し出していたのが印象的。
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