Kazuho

驟雨のKazuhoのレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
5.0
仮にもし本作が小津安二郎『晩春』の続篇だと仮定してみたら急に面白みが湧いてきた。

細部を見ると台詞の掛け合い一つ一つにかなり神経が使われているが、全体は大味にならないように小気味よくまとまっている。

住居は梅ヶ丘、豪徳寺、自由ヶ丘など東京の左下、そして職場は宝町を舞台にしており、当時の生活も十全に感じられる、素晴らしい作品。

そしてなんといっても最後、風船を夫婦でラリーするシーン、これは全くの見物で、カットのハイテンポな切替りは、こんなことは他の作品であっただろうか。説教地味たラストではなく、彼等の生活が続いていく、そんなことを暗示させるようなラストであり、福音的な印象を持った。

“もっと強く!”






参考
http://www5c.biglobe.ne.jp/~nuage001/photoshuu3.html
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