がちゃん

ベロニカは死ぬことにしたのがちゃんのレビュー・感想・評価

ベロニカは死ぬことにした(2005年製作の映画)
2.3
心の美しい変人たちと触れ合っていくことで主人公が生きる価値を見出していくというテーマなのですが、この病院に入所している精神を患っている患者たちの描写がステレオタイプすぎて不快。
永遠の美を描き続けているという少年、クロードの登場も唐突過ぎて。

精神を患っている者を演じるのは、役者にとって大変やりがいがあるようで、みんなオーバーアクトで、ここまでくると見苦しいレベルになっています。

そして、役者全員しゃべりすぎ。
舞台作品じゃないんだから。
映画なら、主人公の心の動きなどは“画”でみせてくれないと。

中島朋子演じる患者の幽体離脱?のシーンなどは突拍子すぎて思わず失笑。結局、セックスが生への生きがいをとりもどす要因となったってことですか?

あまりにも定まらないテーマに観客は振り回される。
そしてあのオチでしょ。
もうついていけません。

時折見せる映像感覚に、いいものがあるだけにとても残念。
主演の真木よう子や風吹ジュン、市村正親など役者もいい人揃えているのにね。

同じく精神病院をテーマにした作品に、『カッコーの巣の上で』(1975)がありますが、命の尊厳を歌い上げたその崇高なテーマにはるかに及ばない。

監督が自らの映像と音楽に酔ってしまった駄作。
実際の精神病院関係者が観たら憤懣レベルと言わざるを得ませんね。
あるいはそれが狙いなのかと好意的に観ようとしても出来ない。それほど酷い作品だと思う。

真木よう子は熱演。



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