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ベロニカは死ぬことにしたのkunikoのネタバレレビュー・内容・結末

ベロニカは死ぬことにした(2005年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公が自殺未遂して運ばれた精神科病院は全員が狂っていて、シュールだった。病院と名前を借りた時空のゆがんだ別世界のような。
主人公は空虚な毎日に退屈して死を選んだが、一命を取り留める。そこで医師から余命宣告をされる。自分で選んではない死が、間近に確実に訪れるという。戸惑いと恐怖が伝わってくる。彼女は絶望しているので、ただ残り少ない生命のみが残されている。行き場のない病院の中、彼女に生きる喜びを取り戻す方法は、シンプルで生命の根源の渇望を満たすことだった。
一週間の間に彼女は、生と死への願望を繰り返し行き来することになる。主人公が自らの意思で生命をつかむ海のシーンは、何気なく、とても自然で、神秘的な美しいシーンだった。脳にざわざわと何かが湧き上がった。
作品全体で理解しがたいところもたくさんあったので、原作を読んで比較したくなった。
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