よりとも

七人の侍のよりとものレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
4.0
□見たきっかけ
フィルマークスで高評価だったから

○良かった点
・戦後わずか10年でこれだけの作品が作られたことに脱帽。日本の底力がつまっている。古くから大切にしてきた人の温かみがつまった作品。
・七人の侍のキャラがしっかりと立っている。個人的には久蔵のクールさとスキルの高さがかっこよかった。勝四郎が憧れるのもわかる。
・菊千代がいい味を出していた。特に、百姓を庇うために泣きながら侍達を怒鳴りつける様子は心打たれる。仲間の死を弔うために旗を掲げたり、自分が手柄を取ろうとしたことで、仲間を死なせてしまい悲しんだりする様子も百姓出の菊千代らしさだと思った。
・戦闘シーンの泥に塗れながら騎馬を追いかけ回すのがすごいと思った。豪快に落馬している様子を見て、思わず痛そうと言ってしまった。
・「原点にして頂点」と呼ばれるにふさわしい作品だった。
・何気に隠れたMVPは、町の宿屋で侍に楯突いてまで百姓を庇ったポンコツたちだと思う。侍を雇うため米を食べずに粟や稗を食べていることを哀れむ心が素敵だった。
・火縄銃を種子島というのがなんともおつだと思った。
・ラストのせりふ「勝ったのはワシらではなく、農民たちだ」に深く考えるものがあった。土地を守れて活気づく農民に対し、戦に勝ったものの土地も恩賞も手元に残らず、ただ生きながらえ流浪する浪人の性に嘆く様子が強く込められたように感じた。

△気になった点
・野伏戦ではどんでん返しがあるのかと思いきや、予想を覆すことなく決着がついたのが少し物足りなかった。
・火縄銃一撃ですぐ死んでいたけど、そんな簡単に人は死ぬものかなと思った。
・野伏との勝敗一本筋なのでどこかオチへの期待値が低かった。
よりとも

よりとも