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七人の侍のエレキングのレビュー・感想・評価

七人の侍(1954年製作の映画)
5.0
黒澤明監督は重厚な人情劇の合間に、軽快な時代劇を撮っている。
『七人の侍』『隠し砦の三悪人』『用心棒』『椿三十郎』など、エンタメに全振りした時代劇が多い。
思うに、黒澤明にとって時代劇はSFと同じだったのではなかろうか?
SFは現実に縛られることなく、自由な発想で創ることが出来る。
『影武者』のように武田信玄という実在のモデルがいる時代劇であっても、脚本の最初に書かれた「同じ人間が三人いる」はSF的である。
尤もこれは一般的なSFの見方であって、黒澤明自身は「科学技術が人類をどこへ運んでしまうのか?」という怖さがないとSFではないという意見を持っている。
後年『夢』の中で「赤富士」というSFを撮り、それは原子力発電所が爆発するという作品であった。
図らずも福島第一原発で「赤富士」が現実になってしまったことは残念でならない。
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