jonajona

七人の侍のjonajonaのネタバレレビュー・内容・結末

七人の侍(1954年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

あけまして
おめでとうございます!

年明けなので景気良く
オールタイムベストな一本を。
思いが溢れてぐちゃぐちゃ
書いてます。ごめんなさい🙏

日本の昔の映画って時代を経るからしょうがないけど、聞き取れなかったりするのでわりと避けてたんです。(大島渚の『御法度』とか言葉が聞き取り辛くて断念。海外だと字幕ありきだから逆にいいんやけどね)

これは字幕モードがあったので『やった!』と思い借りて、最近初めて観たんだけど死ぬほど面白かった…!!
天才天才言われてるけど、たしかにこれを見ればそりゃ祭り上げられるわと白目むきそうになるほどの傑作!

もちろん三船敏郎が素晴らしいんだけど…黒澤映画の常連、志村喬さんが最高に渋くて至福のおじさん味が味わえました。
主君を失った浪人たちによる名誉と『飯一杯』のためだけの戦い。

初めは農民視点の物語で、野伏(野盗のようなもの)が村を襲うので侍を雇って村を救ってもらおうという話。この時点ではストーリーは、下の身分であり金もない農民が侍を…⁈という不可能にチャレンジする面白み+当時の時代の『町』や侍たちの階級差を描く世界観の構築に重点があります。

次に志村喬が現れるシーンからは、農民の熱意(と、人足の言葉!あの展開もすげぇ熱い!!)に動かされた彼がほかの侍をスカウトしていき『七人の侍』を集めるチーム結成ものの面白さ。
この描き方が特に驚くべき所で、現在の映画世界の中で描かれるチームやバディ結成のストーリーテリングの基礎とでも言える完成形があると思います。ハリウッド映画も数多くこの映画の流れに追従したんじゃないかな。同じ手法で腕試しすることで一人一人の性格や能力の特徴を伝えるスマートな手法…めちゃくちゃ面白い。

そして農民の村へ行き、たった7人の侍と戦などしたことない農民たちによる40に近い野伏との戦いへの準備、そこが物語の焦点になります。このへんは経営やマネジメントと関係ありそうなある種の『組織立て直し物語』のジャンルになります。
時には飴を、時にはムチを使いながら農民を鍛え上げて戦闘にむけて準備していく中で、農民ー侍という身分を超えたロミジュリ的恋愛模様の展開や、無垢なようでいて実のところ色々やることやっている農民という身分のしたたかさが明らかになったり…自分たちはなんのために戦うのか?侍側にも信念を問う瞬間が訪れます。

つまり、全部盛りです!!

わっしょい🙌🙌全部盛り!!!

えげつなくないですか?映画の時間はたしかにとんでもなく長いですが(休憩あります)、なんのジャンルに形容すればいいのか分からない位面白いんです…

そしてまぁ言うまでもない圧巻の戦。
本当に馬を駆りながらの危険などを度外視したかのような乱戦模様は迫力満点。
土砂降りの中弓矢をひく志村喬…痺れる。侍たちは全員キャラが立ってて思い入れができます。そして迎えるなんともいえない味わいの残る結末…。
つかの間の輝きと世界のむなしさ。
それでもやはりあの輝きには意味があると感じさせてくれる映画でした。

この映画を好きっていうと『あーそれすごい有名なやつじゃん。ベタだね』って言われちゃったりするんですが、ベタで何が悪い!!笑 最高の映画です。
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