ジジイ

七人の侍のジジイのネタバレレビュー・内容・結末

七人の侍(1954年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

何度目かの鑑賞。観終わってもなお心があの村にとどまっているかのような感覚。圧倒的なリアリズムが、全て自分の眼前で起こっていることの(或いは日本人のDNAの記憶が呼び起こされる?)ように思わせるのだと思う。本物の時代劇を模索していた黒澤は、戦国時代の浪人が武者修行中に百姓に雇われて飯と宿を与えてもらう代わりに、盗賊などから村を守っていたという事実を知り、この物語の着想を得たという。文句なく面白いのだけれど、毎回思うのは村に入った騎馬は綱を張って倒せばいいんじゃね?ということだ。だが実際にそれをやれば役者や撮影用の馬は骨折を免れないし、映画制作としては無理があるのかもしれない(何より農民側があっさり完勝してしまう)。攻守ともに一枚岩でないところもリアルで面白く、まんまとヤキモキさせられる。剣客の久蔵役は当初三船敏郎を想定していたらしいが、ニセ侍の菊千代という破天荒なキャラクターが必要となり、結果宮口精二が演じることになったらしい。長いけど観るたびに発見がある傑作である。
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