円柱野郎

ベスト・キッドの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ベスト・キッド(2010年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

舞台が中国になり、描かれる武術も空手から功夫に変更されているものの、ほぼ1984年版を踏襲したストーリーラインにはオリジナルに対する敬意が感じられる。元々のプロットが良いので奇をてらった話の変更をしなかったのは正解だろう。修行シーンの変更では「小間使いさせられていると思ったら…」ではなく「服を掛ける躾…?」になって多少オリジナルのウィットは消えているけど、それでも日常の動作が修行になるという面白さは生きているね。ライバル側の師範は相変わらず“人”として悪い。しかし本作ではラストにその師範の鼻を明かす場面があるので、ここはオリジナルよりも溜飲の下がるところで良い感じでした。
主人公役はジェイデン・スミス。生意気そうなキャラクターそのままなのはそれとして、身体を鍛えている部分では説得力もあるし、アクションも見事にこなしていたのは大したもの。そしてその師匠役がジャッキー・チェン。オリジナルのミヤギの様な飄々とした感じはあまり無いけど、功夫シーンの説得力はさすが。一番の見せ場は少年6人との闘いですが、彼のアクションシーンがここしかなかったのが残念に思えるほど。ただジャッキーになったことで、オリジナルのミヤギが抱えていたマイノリティであったことに起因する過去の悲劇が変更され、興味深かったマイノリティのテーマが無くなっていたのは少し残念だった。
円柱野郎

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