がんびーの

白いリボンのがんびーののレビュー・感想・評価

白いリボン(2009年製作の映画)
4.3
第一次世界大戦直前のドイツ北部の小さな村で奇妙な事件が次々と起こる。犯人は誰なのか? 憎しみ、抑圧、嘘、暴力が蔓延する村に救いは来るのか。

かなり良かった。
今まで見たことない戦争映画。

ここで描かれている子供たちが、後にヒトラーの下で大量殺戮を行う人間なわけだが、何故そういう人間が生まれてしまったのかわかる気がする(そんなのドイツに限った話じゃないけれど)。
とにかく村の大人達の感情がひん曲がっていて、それに抑圧される子供の人間性も変な方向に成長してる。牧師であり神学を教える先生でもある父に理不尽に怒られ、父の大切にしていた鳥を殺す娘。あの行動が全てを物語っている。抑圧され罵倒され殴られた人間がまともになるわけない。親の憎しみや嘘は子供に伝わるもんだとしみじみ感じる。

ドクターが助産婦を罵倒するシーンは言葉が酷すぎて笑ってしまった。きっとあの医者は十数年後にお偉いさんになってT4作戦を指揮しているのだろう。

結局胸糞な感じで幕を閉じたが、作られるべき映画作品だったと思う。

ハネケ好きです。
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