よふかし

白いリボンのよふかしのレビュー・感想・評価

白いリボン(2009年製作の映画)
3.6
主人公の教師がモノローグで語る、ドイツの小さな村で起きた不可解な出来事。

※ネタバレ有り

不信感 悪意 暴力 復讐…これらが蔓延し、ひっそりと行われることの恐ろしさ。
ドクターの隣の女性に対する物言いが酷すぎる!ヘドが出る、シワがある、臭い…等々言いすぎやろ!女性も反論するけどそれに対するドクターの反応「黙って死んでくれよ」にはさすがに笑った。少年を痛めつけるクズ、娘を犯すクズなどクズofクズが出てくるので本当に成敗されて欲しいと願った。
核心はつかなくとも、事件の犯人の想像がつく演出になっている。牧師の父親に教室で怒られた後、父親が飼ってる小鳥をイエスの十字架に見立てて殺す娘、怖い。一連の犯行は牧師の子供含めた村の子供たちによるものだと示唆されるが、純真無垢=白いリボンで縛りつける教育を受けた牧師の子供たちの考える純真無垢な行動の結果なのか。オナニーの責め方が長ったらしくてあんなん言われて手縛られるのは辛すぎる。子供たちは最初にクズな医者を成敗するが、徐々にそれは自分たちがされた非道徳的な教育の根源を他の弱者にも押し付けるような結果になったように見えた。それとも縛られすぎた故、抑圧からの解放としての行動なのか。このあたりは一回観ただけだと完全には理解できなかった。
冒頭で「あの出来事は当時の我が国そのもの」と語られる。ラストでこの後第一次大戦が起こると語られ終わるが、それはいずれナチス政権下になり彼らのような人間が生まれるという暗示なのか…ナチスについてはあまり詳しくなく勉強不足のためその目線では追えなかった。
村という小さな社会で生きていくために真実を暴くのではなく都合の良い解釈をすることで守っていく。村から出て行った者に罪をなすりつけ犯人はここにはいないとすまし顔で過ごし、子どもたちの悪事をもみ消すかのように見てない聞いてないふりをする。恐ろしい映画だった。

カメラは、ワンカット長回しの使い方が好きだった。序盤の長回しはこの先でどんな光景が広がっているのか想像するしかなくゾワっとする効果があって良い。ゆったりとしたカメラワークが多い。
登場人物が多くてたまにしか出てこないキャラが誰なのかわからなくて戸惑うので似た顔は使わないでほしいw
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