Jeffrey

総進撃のJeffreyのレビュー・感想・評価

総進撃(1970年製作の映画)
3.8
‪「総進撃」‬
‪冒頭、第一次世界大戦の1916年。イタリア軍とオーストラリア軍の戦い、愛国心、理想主義者、最前線、猛攻撃、戦争の残虐、召喚指令、フィオール山、塹壕、対峙。今、凄惨を極めた戦場での正義が試される…本作は戦争という極限状況で人間の心に潜むファシズムと攻撃性と次第に異常性の体質に変貌する人間を映したフランチェスコ・ロージの傑作で、この度BDにて初見したが素晴らしかった。この映画は冒頭から引き込まれる。森の中でイタリア軍の兵士たちがオーストラリア軍に対峙している。ここは夜の森。1人の兵士が両手を上げ、味方だと言い捕まる。画面はフェードアウトし、続く数千人の兵隊が険しい道を歩く描写に変わる。ここで壮大な音楽が緊迫感と緊張感を滲ませる。偵察隊の銃撃戦に巻き込まれ複数負傷、紅葉に寝転び煙草を吸う兵士2人の姿、タンカで運ばれる死者、再び行進、爆撃、混乱が続く。軈て愛国心に燃える純粋な理想主義者が体験する戦争が次から次へと描破される…馬に乗り赤軍と戦う草原のシーンで太陽がスクリーンに現れるシークエンスはとっても雰囲気が良い。その戦いが終わった時点で、ジェノサイドと化した戦場の描写をカメラが横移動する場面は画期的で印象深い。厭世的な気分を誘う有刺鉄線の描写も記憶に残るし、炎上する焚き火を前に反乱が起きる場面も迫力ある。‬
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