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青空娘のNNNのレビュー・感想・評価

青空娘(1957年製作の映画)
4.8
若尾文子って「女優」だよなあ。

見た目がいい女優って世の中いくらでもいるけど、若尾文子ほど「女優」を感じさせる女優って早々いない。要はスクリーンの中でいかに輝けるかなんだけど。彼女が優れた演出家たちと巡り会って日本映画最盛期を20代で駆け抜けることができたことは本当に幸福な出来事だと思う。

海辺の集合写真。胸の空いたセーラー服。崖の上の青空。水平線。ロングスカート。ノースリーブ。テニスコート裏のフェンス。あらゆるシーンが鮮明に瞳に焼きつく。カラーが美しい。

駅で「火星人が地球を伺ってる」云々言ってるヘンなおじさんが立てている指に反応して、一瞬上を見上げるギャグなんかも忘れられない。屋根~。

10数年ぶり2度目の鑑賞で色々と記憶が薄れていたが、三宅邦子が掃除婦の役で現れて「アッ!」となった。三宅邦子がモブ役っぽく登場する感覚あんま無いからね。

卓球シーンにおけるショットとショットの噛み合わなさがどうにもおかしいけど、意図的なんだろーか??

(文章書いててふと気づいたのですが、テニスコート、崖の上、水平線、ヒロイン物、空の「青」、若尾文子の「白」ブラウス・「赤」スカート。『気狂いピエロ』(65年)じゃん!! ゴダールもしかして影響、、)
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