大傑作すぎた。
増村保造×若尾文子の黄金コンビが初めて組んだ作品。
田舎に住んでいた有子が、会ったことのない本当の母親を探しに東京へ来るが、父の家で女中のように扱われる。それでも懸命に生きていく姿に誰もが感動する。
若尾文子とミヤコ蝶々の掛け合いが最高!
1957年にこんなに爽やかな、そして美しい映画があるなんて!『最高殊勲婦人』の時もそうだったけど、今でも通じるような映画です。
いじめられて、いじめられて、それでもめげない姿と、男性関係が変化していって本当に大切な愛を学んでいく。
これは高度経済成長のなかで、人々が段々と伝統ある暮らしを忘れ、消費社会を繰り返すうちに自分勝手になっていく様子が反映されていると感じます。そこへ有子が現れ、もう一度善良な生き方を提示する。
最後には、お母さんを見つけ出す。炭鉱節が流れる中で、初めて抱擁する。本気で愛しなさいと自分の父親に喝を入れる。すべての人々に許しを与えるまさに「青空娘」です!