daiyuuki

ヌードの夜のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ヌードの夜(1993年製作の映画)
5.0
広瀬にプロポーズされた名美(余貴美子)はホストクラブの支配人・行方(根津甚八)との腐れ縁を断ち切るために、ある計画を思いつく。
そして、“何でも代行屋”紅次郎(実は“村木”)(竹中直人)を訪ね、福岡から上京してきたと偽り、東京案内を依頼する。
ホテルに戻った名美は行方を部屋に招き入れ計画を実行しようとするのだったが……。
劇画家・石井隆の「天使のはらわた 赤い眩暈」「死んでもいい」に続く監督第3作目。石井作品にたびたび登場する“名美”と“村木”の物語が綴られていく。
腐れ縁の男の死体を押し付けられた代行業の男が謎の女に惹きつけられ巻き込まれていくハードボイルド・サスペンス。
竹中直人演じる村木がサラリーマン崩れの代行業の男で冴えない人生で一度くらい誰かの役に立ちたい一心で名美のトラブルに立ち向かう姿が、日本版ハードボイルド・ヒーローといった感じで、カッコ良いです。
幸せを求めながら男運の悪さで儚いながらも薄幸なヒロイン名美を演じる余貴美子も魅力的です。
やさぐれたホストクラブの社長・行方を演じる根津甚八、ギラギラした椎名桔平の好演も魅力的です。
名美が行方に別れ話を切り出すシーンや名美が行方を殺害するシーンや行方の死体を処理するために右往左往するシーンや村木が必死に拳銃を手に入れようとするシーンや村木と椎名桔平が対決するシーンなど、石井隆独特の長回しによる緊張感溢れるシーンが満載で、日本版ハードボイルド・サスペンスの傑作となっています。
名美が村木のために椎名桔平と決着をつけるシーンや村木と名美が最初で最後に結ばれるシーンの切なさが、泣けます。
daiyuuki

daiyuuki