1234

ヌードの夜の1234のレビュー・感想・評価

ヌードの夜(1993年製作の映画)
3.5
雨がよく似合う。「石井隆の最高傑作」と言い切ってしまうにはもしかするとまだ「早すぎる」のかもしれないが、映像表現におけるひとつの到達点をこの作品は示した。独自の美学、映像美、役者の演技、「ただそこにあるだけ」の物質的な美しさでは到底表現しきれない美しさと、美しさと隣合わせにある儚さと醜さ。最後のピースがカチリとハマったときのような「狂いのない美しさ」に圧倒されるほかない。余貴美子が水中のなかでこっちを向くシーンで「うわー」と思った。こんなのよく思いつくよなあ。あと、余貴美子はそこまで脱いでない。
「男の方がロマンチスト」っていうけど本当なんだなあと、石井隆の映画を観ているといつも思う。具体的にはこの作品でいうとラスト竹中直人と余貴美子がキスするところでそう思った。あっ、この人バカなんだなって(笑)。笑ってしまうほど真っ直ぐで純粋な愛があった。
1234

1234